* スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

拍手する 2009.11.05 Thursday * | - | - | -
* 「ライオンの子」番外編 CASE? 恋人:02
「ライオンの子」番外編 CASE? 恋人:02


「いい? 笑うな、驚くな、つっこむな」
「は?」
「三か条です。いい? 復唱して!」
「笑うな〜驚くな〜つっこむな〜」
「気持ちがこもってない!」

 梨恵の通う大学の前で、総志朗は遠い目をして梨恵のいいなりになる。死んだ魚のような、という表現は今の総志朗のためにある言葉といえよう。
 彼氏のフリをするという梨恵の依頼をたった千円で受けてしまった総志朗は、当然やる気がない。
 それを察知した梨恵は、厳しくすることで無理やり依頼をこなさせようという作戦に出た。
 だが、鞭しか持たない鬼教師相手には、反発心しか生まれない。
 総志朗は半眼の目で、梨恵の言葉を右から左へ受け流している。

「わかった。ちゃんとやってくれるなら、一ヶ月ずっと私がゴハン作ってあげる」
「えー」
「嫌そうな顔しないでよ! 心外だわ」
「おいしいもん、つくれんのー」

 完全に馬鹿にした総志朗の棒読みのセリフ。梨恵は口元をひきつかせ、総志朗の手の甲を思いっきり皮膚がはがれるんじゃないかと言うくらいの強さでひねりあげた。

「痛いっいってえええええええ」
「うるさい」
「梨恵さん、鬼っ! 鬼女日記つけるべきっ」
「意味わかんない。それより、三か条」
「笑うな〜驚くな〜つっこむな〜」

 やはりやる気のない総志朗。梨恵は形の整ったアーモンド形の目を歪ませ、総志朗をぎっと睨みつける。
 総志朗は両手をあげて降参のポーズを取ると、梨恵のご機嫌をとるようにおどけた調子で言った。

「この三か条って、何の意味?」
「もうすぐわかるわ」

 梨恵がため息混じりにそう言った時、梨恵のほうに向かって手を振る人物がいた。
 ピンク色のレースで飾られたロリロリな服を着た女の子が、ものすごく嬉しそうに走り寄って来る。
 身長が低く細身のその子には、そのフリフリの服は似合ってはいたが、ヅラにしか見えない金髪(というよりはまっ黄色)のクルクルヘアを両耳の上で二つに結わえた髪型は異様にしか見えない。黄色すぎるし、結び目が高すぎて、兎の耳のようだ。

「なしえりんご〜」

 少女は梨恵に飛びつく。梨恵の体が氷で固まるように動かなくなった。

「なしえりんご……」

 思わず総志朗は吹き出す。

「ね、ね、この前の話の答え、教えりんご!」
「教えりんご……」

 少女はりんごが好きらしい。肩にかけたバッグはりんごの形だし、兎の耳のような髪の毛にはりんごのヘアゴムがつけてある。首につけたネックレスも言うに及ばず。

「ね、なしえりんご! 付き合ってくれるりんご?」

 りんごがうざくなってきて、総志朗は隣で苦笑いをしていたが、一瞬目を泳がせ、少女を凝視してしまった。
 驚きで目が飛び出そうだ。
 梨恵は凍りついたままだが、木の上で遊ぶ猿のように、少女は梨恵の腕やら体やらにまとわりつく。

「まじりんご?!」

 思わず出た言葉は少女の奇妙な口調が移っていた。
 梨恵の目がごごごごごごと少年漫画の擬音のような音を立てながら、総志朗の方に向いた。

「総志朗、三か条は」
「笑うな〜驚くな〜つっこむな〜」



***
すんません(^^;「小説家になろう」に投稿しないとわかってるとついついふざけてしまう……
拍手する 2007.11.27 Tuesday * 02:58 | 長編小説「ライオンの子」番外編 | comments(0) | trackbacks(0)
* スポンサーサイト
拍手する 2009.11.05 Thursday * 02:58 | - | - | -
Comment









Trackback URL
http://purple-blue.jugem.jp/trackback/38
<< ライオンの子125話更新! | main | ライオンの子126話更新! >>