* スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

拍手する 2009.11.05 Thursday * | - | - | -
* 神様がくれた。10話執筆。
神様がくれた。第10話執筆完了。

初稿、さわりのみです。

ブレイク」「空に落ちる」「神様がくれた」は現実逃避シリーズってことにします(笑)
主人公はそれぞれ全然違う性格だけど、現実逃避しまっくてるところが一緒なんで。
シリーズってことで、同じ題材を使いまくるのをごまかすんだい(笑) 

現実逃避、大好きなんですよ・・・
絶対またいつか書くと思う・・・

第10話
↓↓↓


  実由には彼氏がいた。ひとつ上の同じ学校の人だった。美容師になりたいと言っていた彼は、二年の後半から三年の前期にかけてほとんど勉強もせず遊び呆けていた。実由もそれに付き合わされて、毎晩毎晩真夜中の街をほっつき歩いた。
 最初は刺激的だった。深夜の冷たい空気の中、彼と手を繋いで歩いて、警察官を発見すると、二人で笑いながら逃げた。カラオケで歌って、ゲームセンターで遊んで、公園で語り合った。
 実由にとっては彼は二人目の彼氏で、初めての彼氏とはキスするだけで終わってしまったから、それ以上へと進展していく彼との関係にどきまぎしながら、大人への階段を昇って行くことに酔いしれていた。しかも、彼は実由の知らない、遊びの世界を知っていて連れ出してくれる。静まり返った夜の街、閉まった店の軒先で、二人だけの時間を満喫する。その幸せが、実由には至上の幸福に思えた。
 下がっていく成績も学校の授業も、実由にはどうでもいいことだった。

 いつの頃からだろう。そんな自分に嫌気がさしたのは。彼との時間を楽しめなくなったのは。
 実由の変化に、彼も気付いたのだろう。
 別れは必然だった。

 高一の冬から付き合いだした彼と終わりを迎えたのは、二年の夏――終業式の日だった。もうその前から、気持ちは離れていた。別れる一ヶ月前から一緒に登下校もしなくなったし、夜遊びもしなくなった。はっきりと区切りをつけたかった彼が、終業式の日に実由を呼び出したのだ。
「言わなくても、わかってるだろうけど」と切り出した彼に、実由はうなずいていた。
「わかってる。別れるんだよね?」と返したら、彼はうつむいて小さく返事しただけだった。
 気持ちはとっくに離れていた。
 別れるのは当然。でも、いざ「さようなら」と言われると、言いようのない寂しさが込み上げて、苦しくなった。
 とぼとぼと一人で帰る道すがら。
 幼稚園生くらいの男の子と女の子が手を繋いで実由の横を走り抜けていった。
 互いに目を合わせては笑いあう幼い子の姿は、夕焼けに溶けて影になって、実由は心臓をわしづかみにされた思いがした。
 それは、実由が忘れたものだったから。
 一緒にいるだけで、それだけで楽しいと笑える。実由にはそれが出来なかったから。
 戻りたくなった。小さな、世界が二人だけのものだった、あの頃へ。
 別に、彼とじゃなくても良かった。
 誰でも良かった。
 砂のお城をつくるみたいに、夢だけで生きていた幼い頃の幻影に取りつかれた。
 世界が二人だけのものになる、夢の世界。小さな子供だからこそ、作り上げられる場所。
 もうそんな世界は作れない。そこまで子供じゃない。相手だっていない。
 わかっていたけど、どうしても手に入れたくて、実由は家を飛び出していた。
 砂のお城を作ろうと思った。
 小さな頃、幼馴染の哲君と二人で、よく砂場で遊んだことを思い出した。
 哲君は引っ越してもう実由の近くにはいないけれど、あの頃の幸せな時間を思い出せるなら、それでよかった。
 公園は小学生や子供がいっぱいで、実由は近づけなくて、電車に乗った。
 どこに行こう、そう考えて、海に行こうと思いついた。
 海は砂がいっぱいだし、海水浴の今の季節なら、女の子が一人で砂で遊んでたって変に思われないだろう。



―‐―‐

三人称で書くと、どこか客観的になれます。
いいことだか悪いことだかはわからないけど。
拍手する 2008.09.30 Tuesday * 04:30 | 執筆中小説 | comments(0) | trackbacks(0)
* スポンサーサイト
拍手する 2009.11.05 Thursday * 04:30 | - | - | -
Comment









Trackback URL
http://purple-blue.jugem.jp/trackback/163
<< ユーレーロミオに恋するジュリエット第2話 | main | 神様がくれた。第11話執筆。 >>